そ75歳になった今でも、旅の魅力は変わらない。
見知らぬ景色、地元の人との会話、宿の静けさ。
一泊だけでも、心がほぐれ、人生が少し豊かになる。
だが、年を重ねると同時に、旅の不安も増える。
予約の手続き、身分証の提示、健康管理や支払い――
「安心して旅を楽しむための仕組み」が、今ほど求められている時代はない。
そこで注目されているのが、VC(Verifiable Credential)=検証可能な証明だ。
これは、個人の身分証や健康情報、旅行履歴などをデジタル上で安全に管理し、必要なときだけ相手に証明できる仕組み。
紙の証明書や煩雑なチェックイン手続きは不要になり、旅行者も宿泊施設もお互いを信頼してスムーズにやりとりできる。
まさに「信頼を可視化するテクノロジー」である。
たとえば、75歳の旅人がスマートフォンに自分のVCを登録しておけば、宿泊先ではQRコードを提示するだけで本人確認が完了。
健康状態の一部も、本人の同意のもとで宿側が把握できるため、急な体調変化にも安心して対応できる。
また、宿のスタッフもVCで認証された「信頼あるサービス提供者」として登録されているため、互いに安心感が生まれる。
こうした小さな安心の積み重ねが、旅をより豊かにしていく。
旅の本質は“信頼”にある。
見知らぬ土地で誰かに道を尋ね、地元の味を楽しみ、宿に身をゆだねる。
それは、相手を信じ、自分を開く時間だ。
VCはその信頼をデジタルで支える道具であり、心の距離を縮める新しい橋でもある。
技術が進んでも、旅のぬくもりは失われない。むしろ、より安心して人の優しさを感じられる時代がやってくる。
75歳の私にとって、旅は「新しい自分と出会う時間」。
そしてVCは、その旅を静かに支えてくれる“見えない同行者”だ。
不安を減らし、信頼を増やす。
そんなテクノロジーがあるなら、これからもまだまだ旅は続けられる。
安心が宿る旅――それは、心が自由になる一泊の物語である。

