
住まいは、単に雨風をしのぐための空間ではありません。家族の健康と安心を守り、心を豊かに育む大切な場です。これからの時代、私たちが目指すべき住まいは「健康安全」をキーワードにしながら、自然と共に生きる暮らしを実現することではないでしょうか。そして、その実現を後押しするのが最新のデジタル技術「Web5」です。
私は一級建築士として長年、耐震や省エネを意識した住宅設計に携わってきました。75歳を迎えた今も学び続け、未来の住まいをどう形にできるかを考えています。その中で強く感じるのは、「技術と自然の融合」がこれからの時代の住まいをつくるカギになるということです。特に、中庭に家庭用の有機栽培園を取り入れる家は、健康安全の観点からも大きな可能性を秘めています。
中庭での有機栽培は、安心できる食材を自分の手で育てることができる暮らしです。無農薬の野菜を収穫し、その場で食卓に並べる。これは家族の健康を守るだけでなく、食の安全性を確保するための最もシンプルで確実な方法です。さらに緑あふれる中庭は、ストレスを和らげ、心の健康を支える癒しの場にもなります。
ここにWeb5の技術が加わると、住まいはさらに進化します。Web5は、個人のデータを自分で安全に管理できる「分散型」のインターネットです。たとえば、有機栽培で育てた作物の成長記録や栄養情報をWeb5上に保存し、信頼性のある形で家族や地域と共有することができます。食品のトレーサビリティ(生産履歴の証明)を家庭単位で実現できれば、これほど安心なことはありません。
また、住まいの耐震性能や省エネ性能といった建物情報も、Web5を通じて「改ざんできない形」で記録できます。これにより、将来世代がその家を引き継いだとき、建物の安全性が保証され、安心して暮らし続けることができます。つまり、Web5は建築と暮らしの「信頼の橋渡し役」となるのです。
さらに、Web5を活用すれば「地域のつながり」も広がります。中庭の有機栽培園で収穫した野菜を近隣と分かち合ったり、栽培方法を共有したりする仕組みを、分散型のプラットフォームで実現できます。中央集権的なサービスに頼らずとも、個人同士が直接、安全に情報交換できるのは大きな魅力です。これは地域の健康を守り、災害時にも助け合える「共助の仕組み」にもつながります。
「健康安全」を守る住まいとは、頑丈で省エネ性能に優れた建物であることはもちろんですが、それ以上に「人の心と体を育てる場」であることが大切です。中庭での有機栽培は、自然の恵みを享受しながら、家族や地域との絆を深める役割を果たします。そしてWeb5は、その暮らしをより安全で持続可能なものへと導いてくれるのです。
私は75歳という年齢を迎えましたが、未来を考えることに年齢は関係ないと信じています。むしろ、経験を重ねてきたからこそ、技術と自然の調和がいかに大切かを強く感じています。これからの住まいづくりは、最新技術の利便性と、昔から受け継がれてきた自然との暮らし方をうまく組み合わせることにあります。
Web5で描く未来の住まい。その中心には「健康」と「安全」があり、そして人々の笑顔を育む中庭の有機栽培園があります。これこそが、次の世代へつなぐべき「未来への設計図」だと、私は信じています。
