地域と共に歩む安心の場:75歳とWeb5で考える新しい公民館像

私は75歳になりました。これまで地域に支えられながら暮らしてきた一人として、そして建築士として多くの建物に関わってきた者として、常に心にあるのは「地域の安心をどう守るか」という問いです。そんな私がいま学び始めているのが、次世代のインターネットと呼ばれる「Web5」です。一見すると、地域の公民館と最新のデジタル技術は遠い存在のように思えるかもしれません。しかし私は、この二つが出会うことで、公民館はこれからの時代にふさわしい「安心の拠点」へと生まれ変わる可能性があると考えています。

公民館は、自治会や町内会の活動を支える大切な場所です。集会、学びの場、祭りの準備、災害時の避難所――その役割は多岐にわたります。しかし現実には、利用者の高齢化や人手不足、情報の伝達方法の限界など、さまざまな課題を抱えています。紙の回覧板だけでは情報が行き届かない、若い世代の参加が少ない、そして災害時に必要な情報が迅速に共有できないといった問題が、各地で指摘されています。

そこで注目したいのがWeb5です。Web5は「分散型」の仕組みを持ち、個人が自分のデータを安全に管理できる次世代のインターネットです。公民館にこの考え方を取り入れれば、地域の情報をより信頼性の高い形で共有することが可能になります。たとえば、自治会の活動予定や防災マニュアルをWeb5を通じて発信すれば、住民一人ひとりが安全に、しかも確実にアクセスできます。情報が改ざんされる心配もなく、安心して利用できるのです。

さらに、地域の高齢者が抱える「デジタルへの不安」に対しても、公民館は学びの場として機能できます。紙とデジタルを併用しながら、誰でも情報にアクセスできる環境を整えること。それこそが地域の安心を守ることにつながります。公民館が「Web5時代の情報拠点」となれば、高齢者も若者も同じ土俵で地域活動に参加できるのです。

また、防災の視点からも大きな可能性があります。災害時には、正確で迅速な情報伝達が命を守ります。Web5を活用すれば、避難所の混雑状況や支援物資の情報を、地域住民同士で直接共有することができます。中央のシステムに依存せず、地域が自律的に助け合える仕組みは、これからの公民館にとって欠かせない役割となるでしょう。

私は、75歳になってからWeb5を学び始めました。正直に言えば、最初は難しく感じることも多いです。しかし学びを進める中で、「これは地域の未来に役立つ技術だ」と確信するようになりました。公民館はただの建物ではなく、人と人とをつなぎ、安心を育む象徴です。その在り方を、デジタル技術を通じてもう一度見直すことこそ、私たち世代が次の世代へ渡せる大切な「地域資産」だと思うのです。

地域と共に歩む安心の場としての公民館。その姿は、昔ながらの温かさを守りながらも、新しい技術を取り入れることで、さらに豊かで力強いものへと変わっていくはずです。私はこれからもWeb5を学び続け、地域の安心と未来を支える「新しい公民館像」を描いていきたいと考えています。

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