七十五歳という節目を迎えた私に、思いがけない二つの挑戦が訪れた。一つは、バーから依頼を受けて制作したグラスアート作品の完成。もう一つは、次世代インターネット技術「Web5」の学びである。まったく異なる世界のように思えるが、私の中では不思議と共鳴し合い、日々の活力となっている。
今回のグラスアート作品は、外の看板と店内壁面を彩る大きな仕事だった。依頼主からは「店の顔になるような華やかさを」との要望があり、私は光の加減や色の組み合わせを何度も試行錯誤した。完成した看板は、ステンドグラスのように華やかで、昼と夜で異なる表情を見せる。室内の壁面には、赤を基調としたデザインを施し、棚に並ぶウイスキーのボトルと調和するよう工夫した。作品が店の雰囲気を一層引き立てている様子を目にしたとき、長年培ってきた技術が形となった喜びを深く味わった。
同時に私は、awabotaを通じてWeb5の学びを進めている。Web5は、個人が自らのデータを所有し、自由に使える新しい時代の仕組みをめざすものだ。若い世代が主役となって議論を進める中に高齢者の私が加わるのは場違いに思えたが、学ぶほどに「これは未来を支える新しい表現の場だ」と感じるようになった。デジタル空間での自由と自律は、ガラスという素材が光を通して多様な表情を見せるのと似ている。物理的な作品とデジタルの世界が、思いがけず私の中でつながった。
七十五歳になっても、新しい挑戦は尽きない。作品制作では手の感覚や集中力を試され、Web5の学びでは未知の知識と格闘する。どちらも簡単ではないが、挑むたびに心は若返る。グラスアートとWeb5――伝統と未来、アナログとデジタル。その両方を歩むことこそ、今の私に与えられた大切な道だと感じている。

