75歳を迎え、病院との付き合い方はこれまで以上に現実的で重要なテーマになっています。定期的な診察や薬の受け取りはもちろん、体調の変化にも素早く対応できるようにすることが欠かせません。しかし同時に、「どこまで自分の情報が共有されているのか」「診察内容が正しく引き継がれているのか」といった不安を感じる場面もあります。そうした医療現場における信頼と安心を支える新しい仕組みとして、注目されているのがVC(Verifiable Credential:検証可能な証明)です。
VCとは、個人の情報をデジタル化し、それが本物であることを安全に証明できる技術です。ブロックチェーンを基盤とした分散型の仕組みにより、情報が改ざんされることなく本人のもとに管理されるため、病院や薬局、介護施設など、どこへ行っても「自分の正確な医療情報」を提示することができます。たとえば、通院履歴や処方データ、検査結果などをVCとして持っていれば、病院間の情報共有もスムーズになり、重複検査や誤診のリスクを減らすことができるのです。
また、高齢者にとって大きな安心につながるのが、家族や信頼できる人と安全に情報を共有できる点です。VCを活用すれば、必要な部分だけを相手に見せることができ、プライバシーを守りながら支援を受けられます。たとえば、遠くに住む家族が医師の診断内容や服薬状況を確認できるようにすれば、万一の体調変化にも早めに気づくことができます。
病院側にとってもVCの導入は大きなメリットです。患者の身元確認や診療履歴の把握が容易になり、事務処理の負担を減らせるだけでなく、診察の質も向上します。さらに、医師・薬剤師・看護師など多職種の間で、同じデータを安全に共有できるため、チーム医療がより効果的に機能するようになります。
75歳の今、私は「病院に行く」ことを単なる受診ではなく、「信頼をつなぐ行動」として捉え直しています。VCという技術が広がれば、病院との関係はもっとオープンで安心できるものになるでしょう。自分の体のことを自分で把握し、必要な人と正確に共有できる。それが、これからの医療との新しい付き合い方だと感じます。信頼と技術が支える未来の医療の姿に、希望を持って歩んでいきたいと思います。

